以下では、一般的に適用可能なテスト手順について説明しています
- 負荷分配ブリッジは既に点検装置に取り付けれれています。HAP 2.5 テストには HAP 2.5 負荷分配ブリッジを取り付けてください。このブリッジの固定には長いネジ(40 mm)が使用されていることを確認してください。
- 適切なアダプターをテストするファスニングに取り付けます。
- (1)
直接取り付けるアダプターの使用
- (2)
スペーサー付きボタンアダプターの使用
- アプリケーション 1 の場合は、アダプターをブリッジを通してガイドし、ヘッドをテスト装置のジョーの中央にかけます。
- アプリケーション 2 の場合は、スペーサーをボタンアダプターへとスライドさせます。スペーサーのヘッドをブリッジを通してガイドし、ヘッドをテスト装置のジョーの中央にかけます。
- テスターを回して、圧力ゲージを快適に読み取れるようにします。
- ネジ脚の長さを調整して、3 本のすべてのネジが母材と接触し、引抜き動作がファスニングの軸方向、およびネジ脚に対して平行になるようにしてください。
テスター上部の配置が正しくないと、テスト装置を損傷してしまいます。
引抜きテストの際は、張力がクランクハンドルを介してのみ作用することを確認してください。
ネジ脚を介して負荷を加えるのは誤った使用方法で、テスト装置の損傷、またはテスト結果が正しくないことの原因となることがあります。
- 圧力ゲージの赤い指針をゼロの位置にしてください。クランクハンドルを時計方向に回してファスニングに作用す負荷を強めている間、引抜試験装置をグリップで保持してください。
ファスニングに負荷がかかっている間は、引抜試験装置から手を放さないでください。ファスニングへの負荷が強まったなら、引抜試験装置のストローク長表示に注意してください。ファスニングが機能しなくなっていることの兆候は、ストローク長の目盛りの現在の値と最初に測定した値との比較により確認できます。
- 必要な最小負荷に達するまで負荷を強めます。
- ファスニングに作用する負荷を緩めるには、クランクハンドルを反時計方向に回し、元の状態になるまで押し下げます。
- 引抜試験装置とアダプターを取り外します。
スペーサーの使用
スペーサーは、ボタンアダプター(ネジ付き
(A) あるいはスリット付き
(B) )とともに、あるいは直径 16 mm のファスニングの直接テスト(ボタンアダプターなし)に使用できます。スペーサーは、円筒部品と M12 アダプターが取り付けられた M12 ネジ付きロッドで構成されています。円筒部品には、テスト対象のファスニングにあるアダプターを取り付けるスロットがあります。
スペーサーを使用する際は、その都度いずれかの負荷分配ブリッジが必要になります。
例外的な場合(例:鋼材へのファスニング(X- CRM))、アダプター(M4、M5、M6、M8、M10、M12)を使用して、スペーサーなしでテストすることもできます。
その場合の手順は、以下のアダプター(M12、M16、M20)のセクションの説明に同じです。
しかしながら希望の結果を得るためには、アダプターを取り付ける前にファスニングが正しく打鋲されていることが必ず必要になります。
ネジアダプター(M4、M5、M6、M10、M12)の使用
ネジヘッド付きファスニング(例:貫通アンカー、スタッドピン)の点検用。
一般に M16 ナットまたはネジヘッドは、ネジ付きボタンアダプターを必要とせずに直接ジョー脚部に適合します。例外的な場合(例:鋼材への X CRM 接続)、テスターをネジアダプター M4、M5、M6、M8、M10 または M12 とともにスペーサーあるいは負荷分配ブリッジなしで使用できます。測定機器をブリッジに固定している 3 mm ネジを取り外して、測定機器をブリッジから取り外します。アダプターをファスニングの突出しているネジに取り付け、試験測定機器のジョー脚部をネジ付きボタンアダプターのフランジ下にネジ止めします。
ネジの突出が十分な場合は、ファスナーを取り外さずにファスニングを試験することができます。しかしながらこの場合には、ファスナーに起因するファスニングへの負荷(例:自重)を考慮する必要があります。なぜなら、この負荷は引抜試験装置によりファスニングへの負荷に作用し、ファスニングに失敗する可能性が高くなるからです。
アダプターの取付けの際は、アダプターとネジヘッドとの接続が確実であることを確認してください。
スリット付きインサートアダプター(4.5 mm、5.5 mm、6.5 mm、8.5 mm、10.5 mm、12.5 mm)の使用
ボルト本体との接続を構築する必要があるファスニングの点検用。
ファスニングは、取付けの際に規定されているトルクが維持されている場合に限り、希望の/必要な負荷値に達します。6 スリットボタンアダプターは、直径 4... 12 mm のファスニングの試験に適しています。
これらのアダプターは、固定エレメントに代えてファスニングのボルトヘッドの下に配置します。これらのアダプターは、スリーブアンカーの試験にも使用できます。しかしそのためには、アンカーを適切に打鋲した後再び少し緩めて、アダプターを配置できるようにする必要があります。アンカーは再び固定した後、テストすることができます。
しかしながらこの方法は、アンカーを緩めることでその負荷値が低下する可能性があるためお勧めできません。
アダプターを起伏のある母材により損傷しないように注意してください。このため、アダプターと母材の間に大きなシムまたは鋼板を敷くことをお勧めします。
ネジ付きロッドアダプター(M5、M6、M8、M10)の使用
M5 および M6 向けアダプターは、主にレンガの接続具の試験に使用します。
M5 ... M10 アダプターは、その特殊な形状によりインサートアダプターなしで使用できます。
ネジ付きロッドアダプター(M12、M16、M20)の使用
雄ネジまたは雌ネジ付きアンカーの試験用。
雄ネジ付きアンカーでは、アダプターが正しく取り付けられたアンカーにネジ止めします。ねじ込み深さは、ネジ直径以上とします。続いて、アダプターを直接点検装置と接続することができます。
雌ネジ付きアンカーでは、最初にネジ付きロッドをアンカーにネジ止めします。続いてアダプターを取り付けます。ねじ込み深さは、両側においてネジ直径以上とします。続いて、アダプターを直接点検装置と接続することができます。
X-IE 用アダプターの使用
- ファスナー周りの断熱材を取り外します。
- 引抜試験装置をアダプターとともに所定位置に取り付けます。アダプターを吸音エレメントのヘッドにおいて X-IE アダプターの 2 つのプレート間へとずらし、吸音エレメントのハンドルが完全に下側プレートの穴にはまった状態にします。
テストを問題なく進めるには、ネジ脚部の長さを適切に設定する必要があります。
狭いスペースでのテスト
- クランクハンドルのネジを外します。
- これで、クランクハンドルを 22 mm のラチェットレンチ(キットに同梱されています)を使用して操作できます。
- こうすることで、クランクハンドルを回すことができない壁面近くでの作業の際の操作が容易になります。