HAT 28
オリジナル取扱説明書
取扱説明書について
本取扱説明書について
- ご使用前にこの取扱説明書をすべてお読みください。このことは、安全な作業と問題のない取扱いのための前提条件となります。
- 本取扱説明書および製品に記載されている安全上の注意と警告表示に注意してください。
- 取扱説明書は常に製品とともに保管し、他の人が使用する場合には、製品と取扱説明書を一緒にお渡しください。
記号の説明
警告表示
警告表示は製品の取扱いにおける危険について警告するものです。以下の注意喚起語が使用されています:本書の記号
本書では、以下の記号が使用されています:![]() |
使用前に取扱説明書をお読みください |
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本製品を効率良く取り扱うための注意事項や役に立つ情報 |
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リサイクル可能な部品の取扱い |
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工具およびバッテリーを一般ゴミとして廃棄してはなりません |
図中の記号
図中では以下の記号が使用されています:![]() |
この数字は本取扱説明書冒頭にある該当図を示しています |
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付番は図中の作業手順の順序に対応していて、本文の作業手順とは一致しない場合があります |
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概要図 には項目番号が付されていて、製品概要 セクションの凡例の番号に対応しています |
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この記号は、製品の取扱いの際に特に注意が必要なことを示しています。 |
製品により異なる記号
製品に表示されている記号
製品には以下の記号が使用されている場合があります:![]() |
保護ヘルメットを着用してください |
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アイシールドを着用してください |
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保護手袋を着用してください |
製品情報

機種名および製造番号は銘板に表示されています。
- 製造番号を以下の表に書き写しておいてください。ヒルティ代理店やサービスセンターへお問い合わせの際には、製品データが必要になります。
製品データ引抜試験装置 HAT 28 製品世代 01 製造番号
安全
安全上の注意
基本的な安全注意事項
安全上の注意および指示事項が書かれた説明書はすべて大切に保管してください。
作業場の安全確保
- 作業場は清潔に保ち、十分に明るくしてください。ちらかった暗い場所での作業は事故の原因となります。
- 作業保護具および保護メガネを常に着用してください。
- 屋外での作業の場合は、ゴム製の保護手袋および滑り止めのついた履き物の着用をお薦めします。
- 本体は子供の手の届かない所に置いてください。作業場には関係者以外の人を立ち入らせないでください。
- 壁面あるいは天井での作業の際は、作業領域周囲の安全確保に注意してください。落下するコンポーネントまたは工具は、重傷事故の原因となることがあります。
- 作業中は不安定な姿勢をとらないでください。足元を確かにし、常にバランスを保ちながら作業してください。これにより、万一本製品が異常状況に陥った場合にも、適切な対応が可能となります。
- 本製品、アクセサリー、先端工具などは、これらの指示に従って使用してください。その際には、作業環境および用途についても注意してください。指定された用途以外に本体を使用すると危険な状況をまねく恐れがあります。
- 怪我の可能性を防ぐため、必ず Hilti 純正のアクセサリーや先端工具のみを使用してください。
- 取扱説明書の「手入れと保守」に記載されている注意事項に従ってください。
- 本体は決して加工や改造を加えないでください。
- 当本体はプロ仕様で製作されています。本体の使用、保守、修理を行うのは、認定、訓練された人のみに限ります。これらの人は、遭遇し得る危険に関する情報を入手していなければなりません。
- 作業に集中できない場合は、本体を使用しないでください。
製品の説明
製品概要

- グリップ
- クランクハンドル
- クラッチ部
- 圧力ゲージ
- テスターハウジング
- 負荷分配ブリッジ
- 旋回フット
- X-IE アダプター
- スリット付きボタンアダプター
- ネジ付きボタンアダプター
- 足場アンカーアダプター
- インサートアダプター
- ネジ付きロッドアダプター
- ネジ付きロッド脚部
- ジョー
- スペーサー 小
- スペーサー 大
正しい使用
本書で説明している製品は、ファスニングの試験に特化したシステムです。この製品は、ファスニングに作用する負荷を直接測定して圧力ゲージに表示する油圧式ロードセルを介して作動する機械式スクリュージャッキにより構成されています。
HAT 28 には様々な装備パッケージがあります。これらのパッケージは、おおむね小さなあるいは中程度のファスニングのテスト用の構成となっています。本体標準セット構成品
引抜試験装置、取扱説明書その他のご使用の製品用に許可されたシステム製品については、弊社営業担当または Hilti Store にお問い合わせいただくか、あるいは www.hilti.group でご確認ください:
スタッド溶接用スペーサの概要
ボルト長(ねじ有効長) |
使用するスペーサー |
---|---|
≤ 25 mm |
スペーサー不要。 |
≤ 38 mm |
小さいスペーサーを使用してください。 |
≤ 50 mm |
大きいスペーサーを使用してください。 |
≤ 100 mm |
大小のスペーサーを一緒に使用してください。 |
製品仕様
HAT 28 DX |
HAT 28 M |
HAT 28 S/SR |
||
---|---|---|---|---|
最大ストローク長 |
50 mm |
50 mm |
50 mm |
|
ストローク長を示すゲージ |
mm |
mm |
mm |
|
ハウジング |
アルミニウム |
アルミニウム |
アルミニウム |
|
重量(負荷分配ブリッジなし) |
2.5 kg |
2.5 kg |
2.5 kg |
|
重量(負荷分配ブリッジ付き) |
·/· |
4 kg |
4 kg |
|
負荷分配ブリッジの有効スパン |
40 mm |
118 mm |
118 mm |
|
点検負荷 |
圧力ゲージ 1 |
0 kN … 5 kN |
0 kN … 5 kN |
0 kN … 20 kN |
圧力ゲージ 2 |
·/· |
0 kN … 25 kN |
·/· |
|
作動時の周囲温度 |
−17 ℃ … 60 ℃ |
−17 ℃ … 60 ℃ |
−17 ℃ … 60 ℃ |
|
保管温度 |
−20 ℃ … 70 ℃ |
−20 ℃ … 70 ℃ |
−20 ℃ … 70 ℃ |
HAT 28 E |
HAT 28 FX |
||
---|---|---|---|
最大ストローク長 |
50 mm |
50 mm |
|
ストローク長を示すゲージ |
mm |
mm |
|
ハウジング |
アルミニウム |
アルミニウム |
|
重量(負荷分配ブリッジなし) |
2.5 kg |
2.5 kg |
|
重量(負荷分配ブリッジ付き) |
4.5 kg |
·/· |
|
負荷分配ブリッジの有効スパン |
207 mm |
40 mm |
|
点検負荷 |
圧力ゲージ 1 |
0 kN … 30 kN |
0 kN … 30 kN |
圧力ゲージ 2 |
·/· |
·/· |
|
作動時の周囲温度 |
−17 ℃ … 60 ℃ |
−17 ℃ … 60 ℃ |
|
保管温度 |
−20 ℃ … 70 ℃ |
−20 ℃ … 70 ℃ |
ご使用方法
基本的なテスト手順
以下では、一般的に適用可能なテスト手順について説明しています

- 負荷分配ブリッジは既に点検装置に取り付けれれています。HAP 2.5 テストには HAP 2.5 負荷分配ブリッジを取り付けてください。このブリッジの固定には長いネジ(40 mm)が使用されていることを確認してください。
- 適切なアダプターをテストするファスニングに取り付けます。
- アプリケーション 1 の場合は、アダプターをブリッジを通してガイドし、ヘッドをテスト装置のジョーの中央にかけます。
- アプリケーション 2 の場合は、スペーサーをボタンアダプターへとスライドさせます。スペーサーのヘッドをブリッジを通してガイドし、ヘッドをテスト装置のジョーの中央にかけます。
- テスターを回して、圧力ゲージを快適に読み取れるようにします。
- ネジ脚の長さを調整して、3 本のすべてのネジが母材と接触し、引抜き動作がファスニングの軸方向、およびネジ脚に対して平行になるようにしてください。
- 圧力ゲージの赤い指針をゼロの位置にしてください。クランクハンドルを時計方向に回してファスニングに作用す負荷を強めている間、引抜試験装置をグリップで保持してください。
- 必要な最小負荷に達するまで負荷を強めます。
- ファスニングに作用する負荷を緩めるには、クランクハンドルを反時計方向に回し、元の状態になるまで押し下げます。
- 引抜試験装置とアダプターを取り外します。
スペーサーの使用

スペーサーを使用する際は、その都度いずれかの負荷分配ブリッジが必要になります。
例外的な場合(例:鋼材へのファスニング(X- CRM))、アダプター(M4、M5、M6、M8、M10、M12)を使用して、スペーサーなしでテストすることもできます。
その場合の手順は、以下のアダプター(M12、M16、M20)のセクションの説明に同じです。
しかしながら希望の結果を得るためには、アダプターを取り付ける前にファスニングが正しく打鋲されていることが必ず必要になります。
ネジアダプター(M4、M5、M6、M10、M12)の使用

スリット付きインサートアダプター(4.5 mm、5.5 mm、6.5 mm、8.5 mm、10.5 mm、12.5 mm)の使用

ネジ付きロッドアダプター(M5、M6、M8、M10)の使用

M5 ... M10 アダプターは、その特殊な形状によりインサートアダプターなしで使用できます。
ネジ付きロッドアダプター(M12、M16、M20)の使用

雄ネジ付きアンカーでは、アダプターが正しく取り付けられたアンカーにネジ止めします。ねじ込み深さは、ネジ直径以上とします。続いて、アダプターを直接点検装置と接続することができます。
雌ネジ付きアンカーでは、最初にネジ付きロッドをアンカーにネジ止めします。続いてアダプターを取り付けます。ねじ込み深さは、両側においてネジ直径以上とします。続いて、アダプターを直接点検装置と接続することができます。
X-IE 用アダプターの使用

- ファスナー周りの断熱材を取り外します。
- 引抜試験装置をアダプターとともに所定位置に取り付けます。アダプターを吸音エレメントのヘッドにおいて X-IE アダプターの 2 つのプレート間へとずらし、吸音エレメントのハンドルが完全に下側プレートの穴にはまった状態にします。
狭いスペースでのテスト

- クランクハンドルのネジを外します。
- これで、クランクハンドルを 22 mm のラチェットレンチ(キットに同梱されています)を使用して操作できます。
- こうすることで、クランクハンドルを回すことができない壁面近くでの作業の際の操作が容易になります。
- こうすることで、クランクハンドルを回すことができない壁面近くでの作業の際の操作が容易になります。
フレームアンカー固定のテスト
基本構造(HAT 28 Master キット)

- 旋回フットをネジ付きロッド脚部から取り外します。
- ネジ付きロッド脚部を取り外します。
- 100 mm の六角サポートをブリッジに取り付けて、手でしっかりとネジを締め付けます。
- 必要に応じて 50 mm 六角サポートを 100 mm 六角サポートに取り付けて、手でしっかりとネジを締め付けます。
- 旋回フットを端部にネジ止めします。
- リングアイアダプターのロックピンが、アダプターのチェーンに自動的に固定されていることを確認してください。
- M12 ネジアダプターあるいは M12 カップリングアダプターをリングアイアダプターのネジ付きロッドにネジ止めし、リングアイアダプターをテスターのジョーにかけます。
- 母材が平坦でない場合は、テストを行う前に脚長さの微調整を行ってください。
足場アンカーアダプターの使用

- ボルトをアダプターから取り外し、アダプターを足場アンカーの上に配置します。ボルトを再びアダプターに通し、足場アンカーまで挿入します。
HAP 2.5 テスト

- アダプターからピンを取り外します。
- 接続ディスクをアダプターの内側に位置決めします。
- 接続ディスクを通してピンを再びアダプターに挿入します。
- HAP 2.5 のケーブルをコネクターディスクの上に置きます。
- ピンを再びアダプターへ挿入します。
溶接スタッドのテスト

- ネジ付きノブアダプターを F‑BT ボルトに取り付けます。
- これをテスターの爪に掛けます。
- 必要に応じて、長いボルト用のスペーサー を使用します、スペーサーの概要をご確認ください。
手入れと保守
手入れ- 強固に付着した汚れは慎重に除去してください。
- ハウジングは必ず軽く湿らせた布で清掃してください。シリコンを含んだ清掃用具はプラスチック部品をいためる可能性があるので使用しないでください。
- 目視確認可能なすべての部品について損傷の有無を、操作エレメントについては問題なく機能することを定期的に点検してください。
- 損傷および/または機能に問題のある場合は、本製品を使用しないでください。直ちに Hilti サービスセンターに修理を依頼してください。
- 手入れおよび保守作業の後は、すべての安全機構を取り付けて機能を点検してください。
- 圧力ゲージを頻繁に交換すると、オイルレベルの低下の原因となります。そのため極端な場合には、オイル量が圧力ゲージの正しい表示に必要な量を下回ることがあります。
製品仕様 X > 6 mm … < 15 mm - このような場合にはテスターを点検し、オイルを Hilti 修理センターで補充することをお勧めします。

搬送および保管
- 本製品は、乾燥している場所に、子供や権限のない人が手を触れることのないようにして保管してください。
- 本製品を長距離にわたって搬送したり長期にわたって保管した後には、使用の前に損傷がないかチェックしてください。
廃棄

メーカー保証
- 保証条件に関するご質問は、最寄りの Hilti 代理店・販売店までお問い合わせください。
その他の情報

このリンクは、本書の巻末にも QR コードとして記載されています。