DX 9–ENP
オリジナル取扱説明書
取扱説明書について
本取扱説明書について
- ご使用前にこの取扱説明書をすべてお読みください。このことは、安全な作業と問題のない取扱いのための前提条件となります。
- 本取扱説明書および製品に記載されている安全上の注意と警告表示に注意してください。
- 取扱説明書は常に製品とともに保管し、他の人が使用する場合には、製品と取扱説明書を一緒にお渡しください。
記号の説明
警告表示
警告表示は製品の取扱いにおける危険について警告するものです。以下の注意喚起語が使用されています:取扱説明書の記号
この取扱説明書では、以下の記号が使用されています:取扱説明書に注意してください |
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本製品を効率良く取り扱うための注意事項や役に立つ情報 |
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リサイクル可能な部品の取扱い |
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工具およびバッテリーを一般ゴミとして廃棄してはなりません |
図中の記号
図中では以下の記号が使用されています:この数字は本取扱説明書冒頭にある該当図を示しています。 |
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付番は図中の作業手順の順序に対応していて、本文の作業手順とは一致しない場合があります。 |
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概要図 には項目番号が付されていて、製品概要 セクションの凡例の番号に対応しています。 |
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この記号は、製品の取扱いの際に特に注意が必要なことを示しています。 |
製品により異なる記号
製品に表示されている記号
製品には以下の記号が使用されています:高温に関する警告事項 |
義務表示
製品には以下の義務表示が使用されています:保護手袋を着用してください |
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一般的な義務表示 |
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取扱説明書をお読みください |
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保護ヘルメットを着用してください |
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アイシールドを着用してください |
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耳栓を着用してください |
適合宣言
製造者は、単独の責任において本書で説明している製品が有効な法規と有効な標準規格に適合していることを宣言します。適合宣言書の複写は本書の末尾にあります。技術資料は本書の後続の頁に記載されています:
Hilti Entwicklungsgesellschaft mbH | Zulassung Geräte | Hiltistraße 6 | 86916 Kaufering, DE
製品情報
製品はプロ仕様で製作されており、その使用、保守、修理を行うのは、認定を受けトレーニングされた人のみに限ります。これらの人は、遭遇し得る危険に関する情報を入手していなければなりません。製品およびアクセサリーの使用法を知らない者による誤使用、あるいは規定外の使用は危険です。機種名および製造番号は銘板に表示されています。
- 製造番号を以下の表に書き写しておいてください。ヒルティ代理店やサービスセンターへお問い合わせの際には、製品データが必要になります。
製品データ安全鋲打機 DX 9–ENP 製品世代 01 製造番号
安全
安全上の注意
火薬式 DX ファスニング装置に関する安全上の注意
- 鋲打機には加工や改造を加えないでください。
- 必ず、相互に適合している鋲打機、装備部品(ベースプレート、ファスナーガイド、マガジン、ピストン、アクセサリー)および消耗品(ファスナーとカートリッジ)を使用してください。
- 鋲打機とアクセサリーに損傷がないか点検してください。
- 可動部分が引っ掛かりなく正常に作動しなければなりません。本取扱説明書の清掃およびオイルの塗布に関する注意事項を確認してください。
- 鋲打機の正常な作動を保証するには、すべての部品が正しく取り付けられていなければなりません。故障部品は、取扱説明書に別様の記載のない限り、弊社営業担当または Hilti サービスセンターに適切な修理/交換を依頼してください。
- 必ず Hilti 製の DX 空包、または最低安全要件を満たしている適切な空包を使用してください。
- 鋲打機は、「正しい使用」の章に定義されている用途にのみ使用してください。
- あまりに薄い、硬い、もろい母材など、不適切な母材にファスナーを打鋲しないでください。これらの母材に打鋲すると、ファスナーが折れたり、欠けたり、貫通する恐れがあります。不適切な母材の例:
- 鋼材の溶接ビード、鋳物、ガラス、大理石、プラスチック、青銅、真鍮、銅、断熱材、中空煉瓦、陶磁器、薄いシートメタル(< 4 mm)、気泡コンクリート。
- Hilti 「ファスニングテクノロジーマニュアル」 またはご使用の国/地域の Hilti 「ファスニングテクノロジーの技術ガイドライン」を確認してください。さらに、打鋲するファスナーの取扱説明書も必ず確認してください。
- 本鋲打機を使用または整備できるのは、その権限を有し、考えられる危険性について説明を受けている人のみに限ります。
- 使用中は個人保護用具を着用してください。
- 適切な保護メガネと保護ヘルメットを着用してください。
- 保護手袋を着用してください。使用中に鋲打機が熱くなることがあります。
- 耳栓を着用してください。空砲の点火で聴力の低下を招く場合もあります。
- 滑り止めのついた履き物を着用してください。
- 作業場の整理整頓に心がけてください。事故の原因となり得る危険物は作業区域から取り除いておいてください。作業場が整理整頓されていなければ、事故が発生する恐れがあります。
- 作業場の採光に十分配慮し、閉めきった場所ではさらに十分な換気にも配慮してください。
- 打鋲機の先端部は決して手や身体の他の部分に押し付けないでください。鋲打機を他の人に向けないでください。
- 手をマガジンまたはファスナーガイド、ピストンまたはピストンガイド、あるいは装填されたファスナーに触れた状態で鋲打機を押し付けないでください。手で鋲打機を押し付けることによって、ファスナーガイドが取り付けられていなくても、鋲打機が打鋲可能な状態になることがあります。これにより作業者あるいは他の人が重傷を負う恐れがあります。
- 作業位置の近くに居合わせる人は全員、耳栓、アイシールド、保護ヘルメットを着用する必要があります。
- DX ファスニング装置を使用の際には、油断せずに十分注意し、常識をもった作業をおこなってください。疲れている場合、薬品、アルコール飲用、医薬品服用による影響下にある場合には鋲打機を使用しないでください。痛みを感じる場合や体調がすぐれない時には作業を終了してください。鋲打機使用中の一瞬の不注意が重傷の原因となることがあります。
- 不安定な姿勢はとらないでください。足元を確かにし、常にバランスを保ちながら作業してください。
- 鋲打機を使用する際、腕は軽く曲げた状態にし、決して腕をピンと伸ばして突っ張らないでください。
- 作業中は、作業関係者以外、特に子供が近づかないようにしてください。
- 鋲打機は必ず規定にしたがい、不具合のない状態で使用してください。本来の目的以外には使用しないでください。
- 火災や爆発の恐れがある場所で鋲打機を使用しないでください。
- ファスナーを打鋲する前に、ファスナーを打鋲する構造物の背後の打鋲方向に人がいないことを確認してください。貫通するファスナーによる危険!
- 鋲打機の先端が自分あるいは他の人に向けられていないことを確認してください。
- 鋲打機は必ず所定のグリップ面で保持してください。
- グリップ面は乾燥させ、清潔に保ち、オイルやグリスで汚さないようにしてください。
- 必ず鋲打機を母材に完全に垂直に押し付けてからトリガーを操作してください。
- 作業前に、選択した威力設定を確認してください。
- 試験的にファスナーを母材に打鋲してください。
- 鋲打機は必ず、母材に完全に支持されている平滑で水平、かつ障害物のない表面に打鋲してください。
- 打鋲するときは、母材に対して鋲打機を常に直角に保つようにしてください。これにより、ファスナーが母材からずれる危険を低減します。
- Hilti から特に指定されている場合(例:DX-Kwik)を除き、すでに穴が開いている箇所へのファスナーの打鋲は行わないでください。
- 決して使用済みのファスナーを打鋲しないでください - 負傷の危険!新しいファスナーを使用してください。
- 十分に打鋲されていないファスナーを追加打鋲しないでください。ファスナーが折れる恐れがあります。
- 必要な端部との間隔およびファスナー間の間隔 を遵守してください(端寄せ/打鋲間隔の章を参照してください)。
- ファスナー装填済の鋲打機を決して放置しないでください。
- 清掃や修理、点検をする時、ファスナーガイドの交換、休憩に入る時、あるいは保管する時には、必ず事前に鋲打機から空包およびファスナーを取り出してください。
- 鋲打機の持ち運びや保管には、専用の Hilti 本体ケースを使用してください。
- 鋲打機を使用しない場合は、ファスナーを取り出し、乾燥した、子供の手の届かない安全な場所に保管してください。
- 製品仕様 の章で推奨されている最大打鋲数を超えないでください。
- 鋲打機が過度に熱くなった場合や空包ストリップが変形または溶ける場合は、空包ストリップを取り外して鋲打機を冷ましてください。
- 鋲打機が熱いうちは、決して分解しないでください。鋲打機を冷ましてください。
- 本鋲打機に適した、または本鋲打機用として許可されたヒルティ純正の空包のみを使用してください。
- 休憩を取る時、作業が終了した時、あるいは鋲打機を搬送する時には、空包ストリップを取り外してください。
- ファスナーおよび/または空包をマガジンストリップあるいは鋲打機から無理に外そうとしないでください。
- 未使用の空包は、火薬式鋲打機の空包に関する保管規定にしたがい(乾燥、温度 5 °C ... 25 °C など)、保護された場所に保管してください。
- 未使用または一部使用済みの空包ストリップを放置しないでください。使用済みの空包ストリップはまとめて、適切な場所に保管してください。
- 空包の安全データシートに記載されている安全性、取扱い、保管に関するすべての注意事項を確認してください。
製品の説明
製品概要
- ディスプレイ
- Bluetooth ボタン
- RESET ボタン
- グリップ
- 空包ストリップ装填ガイド
- 威力調整つまみ
- 回転スリーブ
- 先端部品(交換可能)
- ベースプレート
- マガジンリリースボタン
- キャリンググリップ
- マガジン
- リリースボタン
- 空包抜き取り口
- キャッチ
正しい使用
本書で説明している製品は、台形成形鋼板を鉄骨にファスニングするための特殊なファスナーを打鋲するための安全鋲打機です。
考えられる誤った使用
安全鋲打機は、火災あるいは爆発の可能性がある場所で使用してはなりません。安全鋲打機に許可された以外の空包およびファスナーを使用してはなりません。
ファスナーは、構造用鋼以外の母材、特に硬化鋼材、もろい鋼材、鋳物、ばね鋼には打鋲しないでください。
安全機構
安全鋲打機は、使用者とその作業領域の安全のために 5 重の保護を提供しています。ピストン原理空包により生じたエネルギーはピストンに送られます。このエネルギーによりネイル(鋲)を母材に打ち込みます。
このようなピストン原理を応用しているため、本体は「Low Velocity Tool」に分類されます。運動エネルギーの約 95 % はピストン内部で吸収されます。ピストンはいかなる場合にも打鋲動作の終了時に本体内に停止されるので、余剰エネルギーは本体内に留まります。このため正しく使用していれば、ファスナーの発射速度が 100 m/s を超過して貫通が発生する危険はありません。
落下暴発防止装置点火装置と接触圧ストロークの組合せにより、本体を落としても暴発することがないように、落下暴発防止装置を装備しています。
トリガー安全装置トリガーを引いただけでは打鋲動作が開始されないように、トリガー安全装置を装備しています。本体の先端部が固い母材に押し付けられている場合にのみ、打鋲動作が可能となります。
接触圧安全装置接触圧安全装置が装備されているので、打鋲動作を開始するには、本体を 250 N 以上の力で確実に押し付ける必要があります。
突発的暴発防止装置本体には、突発的暴発防止装置が装備されています。即ち、トリガーを引いてから本体を押し付けたのでは動作しない構造となっています。本体は、予め固い面に確実に押し付けた状態でトリガーを引いたのでなければ動作を開始しません。
端寄せ/打鋲間隔および端部との間隔
ファスニングの場合は端寄せ/打鋲間隔を守ってください。これは製品仕様により互いに異なることがあります。サービスインジケーター
グリップに内蔵されたサービスインジケーターは、ディスプレイと Bluetooth ボタンおよび RESET ボタンで構成されています。作業速度を適合させて過熱に起因する問題を回避するために、ディスプレイには安全鋲打機の温度が表示されます。
サービスインジケーターでは打鋲数がカウントされ、プログラミングされた限界値に達したり、清掃期限になったり、あるいは本体のメンテナンス期限に達するとその旨表示されます。
Bluetooth を介して、サービスインジケーターに記録された打鋲およびその他のデータ(本体の製造番号、実行された打鋲数、最後の本体整備作業の実施日、など)を、携帯電話アプリ Hilti Connect により読み出すことができます。
清掃が完了した後、RESET ボタンにより次の清掃期限までの打鋲カウンターをリセットします。
本体のメンテナンスの後、メンテナンス表示および次の清掃期限までの内部カウンターは、 Hilti サービスセンターによりリセットされます。
携帯電話アプリによりデモモードを作動させることができます、このモードでは、48 回までの打鋲のうちにユーザーに対して、メンテナンス期限到達を含むサービスインターフェースの様々なメッセージが表示されます。
携帯電話アプリを介して、デモモードを再び非作動にすることができます。デモモードは 15 分後に自動的に再び非作動になります。
ディスプレイ表示
サービスインジケーターディスプレイ- 上側領域
- 中央領域
- 下側領域
記号 |
説明 |
---|---|
Bluetooth がオンになっていると、Bluetooth 記号が表示されます。 |
|
メンテナンス期限になると、レンチ記号が表示されます。 安全鋲打機の整備作業は、Hilti サービスセンターに依頼してください。 |
本体温度
表示 |
説明 |
---|---|
正常 |
中央領域には本体温度が表示されます。 本体温度は正常な範囲にあります。 |
高 |
本体温度が高くなっています。自己発火による危険!温度が適切な範囲に戻るよう、打鋲数を減らしてください。 |
高すぎる |
本体温度がきわめて高くなっています。自己発火による危険!警告表示は、空包ストリップまたはファスナーストリップが本体内にあると、空包が早期に発火してファスナーストリップが溶ける可能性があることを指摘しています。
|
表示 |
説明 |
---|---|
左下隅の 1...7 セグメントのバー表示は、本体の次回清掃期限までの打鋲数カウンターの状態を示しています。 近いうちに清掃が必要となることはありません。 |
|
7 つのセグメントは、近いうちに清掃が必要になることを示しています。 |
|
最大打鋲数に達したなら、本体を清掃する必要があります。 |
|
右隅の黒い正方形は、デモモードが作動していることを示しています。この場合、表示は本体の実際の状態を示しているわけではありません。 携帯電話アプリ Hilti Connect を介して、デモモードを非作動にすることができます。デモモードは 15 分後に自動的に非作動になります。 |
Bluetooth®
Bluetooth ® のワードマークおよびロゴは、登録商標でありBluetooth SIG, Inc. の所有に帰するものです。 Hilti AG によるこれらのワードマーク/ロゴの使用は、すべてライセンスに基づいて行われています。規定に従った使用
本製品には、Bluetooth ® Low Energy モジュールが装備されています。これは装置の状態の点検、および Bluetooth ® 無線技術をベースとした設定とデータの転送を可能にする、2 台の Bluetooth 対応機器間の短距離の相互通信を実現する無線データ転送装置です。本製品は、携帯電話および Hilti ゲートウェイによる通信とデータ転送を可能にするために開発されたものです。この装置は、受信端末の現在地、作動時間、総使用回数、所定のインターバル内での使用回数、転送のタイムスタンプなどのデータを送信することができます。提供される接続機能については、当該の Hilti アプリ、あるいはお使いの装置の取扱説明書でご確認ください。Bluetooth ® を介したデータ転送
送信インターバルは、装置が使用できる電源により異なります。有効転送距離は、使用している受信機器を含む外部条件により大きく異なります。閉鎖された空間内での使用、また金属製の障害物(壁、棚、ケース、など)により、Bluetooth ® の有効転送距離は大幅に短くなることがあります。周囲条件によっては、装置が検知されるまでに複数回の送信インターバルが必要になることもあります。装置が検知されない場合は、以下を点検してください:
モバイル端末機器との距離が大きすぎませんか?
→ モバイル端末機器と装置との距離を小さくしてください
アプリのインストールと設定
接続機能を使用するには、まず当該の Hilti アプリをインストールする必要があります。(1.) アプリを当該のアプリストア(Apple App Store、Google Play Store)を介してダウンロードしてください。
(2.) アプリを最初にスタートさせた後、ご自身のアカウントでログインするか、あるいは登録を行ってください。
(3.) お使いのモバイル端末機器のディスプレイに、装置をモバイル端末機器と接続するためのすべての操作手順が表示されます。
空包に留意して頂くこと
必ずこの表に記載されている Hilti DX 空包、または最低安全要件を満たしている適切な空包を使用してください。- EU および EFTA 諸国に対しては、空包が CE 規格に準拠していること、および CE マークを取得していることが求められます。
- 英国に対しては、空包が UKCA 規格に準拠していること、および UKCA マークを取得していることが求められます。
- 米国に対しては、空包が ANSI A10.3-2020 の規定を満たしていることが求められます。
- 欧州外の C.I.P. 諸国に対しては、空包が使用される DX鋲打機に対するC.I.P. 認可を得ていることが求められます。
- その他の国々に対しては、空包が EN 16264 に準拠した残留物テストに合格していること、メーカーの該当する宣言に適合していることが求められます。
商品番号 |
品名 |
評価 |
---|---|---|
2128213 |
6.8/18 M40 黒 |
かなり強 |
2128211 |
6.8/18 M40 赤 |
強 |
本体標準セット構成品
安全鋲打機、本体ケース、清掃キット、スクレイパー、ラムロッド、 Hilti スプレー、取扱説明書。その他のご使用の製品用に許可されたシステム製品については、弊社営業担当または Hilti Store にお問い合わせいただくか、あるいは www.hilti.group でご確認ください。
製品仕様
本体データ
DX 9-ENP |
|
---|---|
重量(EPTA プロシージャ 01 準拠) |
12.5 kg |
寸法(長 × 幅 × 高) |
985 mm × 365 mm × 175 mm |
マガジン収納容量 |
ネイル 40 本/空包 40 発 |
使用可能な空包 |
6.8/18 M40 赤、黒、青 |
使用可能なファスナー |
X‑ENP 19 |
打鋲数 |
1,200/h |
鋼材の厚さ |
≥ 6 mm |
接触圧ストローク |
89 mm |
押し付け力 |
≥ 250 N … < 330 N |
作業温度(周囲温度) |
−15 ℃ … 50 ℃ |
騒音について
ここに記載されている騒音値は、以下の周囲条件において測定されたものです:騒音測定値の周囲条件
安全鋲打機 |
DX 9–ENP |
モデル |
シリーズ |
口径 |
6.8/18 黒 |
威力設定 |
4 |
用途 |
X‑ENP‑19 L15MXR を使用しての鋼板(ブリネル硬さ 610 N/mm2)へのファスニング |
排出サウンドプレッシャーレベル (LpA) |
103 dB(A) |
サウンドプレッシャーレベルの不確実性 (KpA) |
2 dB(A) |
サウンドパワーレベル (LWA) |
113 dB(A) |
サウンドパワーレベルの不確実性 (KWA) |
2 dB(A) |
排出ピークサウンドプレッシャーレベル (LpC, peak) |
137 dB(C) |
ピークサウンドプレッシャーレベルの不確実性 (KpCpeak) |
2 dB(C) |
振動
2006/42/EC に準拠した振動値は 2,5 m/s² 未満です。作業準備
ファスナーの位置を指定する
ミス打鋲を回避するため、以下のようにしてください:- 台形鋼板を鉄骨に乗せる際に、油性のペンでファスナーを打鋲可能な領域をマーキングします。
安全鋲打機の打鋲可能状態を点検する
- 本体内に空包ストリップもファスナーストリップもない ことを確認してください。
- 安全鋲打機に目視確認できる損傷がないか点検します、特に図示した部品に注意してください。
点検結果 目視確認できる損傷がある
- Hilti サービスセンターに本体の修理を依頼してください。
- Hilti サービスセンターに本体の修理を依頼してください。
- 抵抗がはっきりと感じられるまで本体を押し付け、プレッシャーピンの位置を点検します。
点検結果 1 / 2プレッシャーピンが押し下げられていません、プレッシャーピンのスプリングが圧縮されていません。
本体がネイルを検知せず、そのため押し付けることができません。本体は正常に作動しています。
点検結果 2 / 2プレッシャーピンが完全に押し下げられています、プレッシャーピンのスプリングは圧縮されていて、リリースボタンを操作するとクリック音が聞こえます。
スライダーが引っ掛かって動かないでいる可能性があります。本体をもう一度清掃して点検しなおしてください。問題が再発する場合は、Hilti サービスセンターで本体を修理する必要があります。 - 本体に空包ストリップがない状態にします。
- ファスナーストリップは装填しますが、空包ストリップは装填しません 。
- 本体を改めて押し付け、リリースボタンの操作時にクリック音が聞こえるか点検します。
点検結果 1 / 3本体が完全に押し付けられていません、トリガーを操作できません。
- 回転スリーブが閉まっていることを確認してください。必要に応じて回転スリーブをストップ位置まで左へ回します。
- スライダーの位置を点検してください。スライダーがはっきりと左へスライドしない場合は、Hilti サービスセンターに本体の修理を依頼してください。
本体のネイル検知部は正常に作動していて、本体を使用することができます。
点検結果 3 / 3本体が完全に押し付けられています(プレッシャーピンのスプリングが完全に圧縮されている)、しかしリリースボタンの操作時にクリック音が聞こえません。
- Hilti サービスセンターに本体の修理を依頼してください。
- 回転スリーブが閉まっていることを確認してください。必要に応じて回転スリーブをストップ位置まで左へ回します。
ファスナーストリップを装填する
- ファスナーストリップ 4 本を上からマガジンに挿入します。
母材 ファスナー
X‑ENP 19 - 最後のファスナーストリップがストッパーに当たるまでマガジンに押し込みます。
空包ストリップを装填する
- 空包ストリップを上から空包ストリップ装填ガイドに挿入します。
母材 空包 6.8/18 M40 赤、黒、青(推奨空包についてはファスナーの取扱説明書をご覧ください) - 空包ストリップの最後が空包ストリップ装填ガイドの上端にくるまで押し込みます。
回転スリーブを開く
- 回転スリーブをストップ位置まで回します。必要に応じて、スクレイパーあるいはその他の工具を使用します。
回転スリーブを閉じる
- 本体前側のスロットが閉まっているか点検してください。
- スロットが完全には閉じていない。
- スロットが完全には閉じていない。
- 回転スリーブをストップ位置まで回します。必要に応じて、スクレイパーあるいはその他の工具を使用します。
ご使用方法
空包ストリップ装填時の抵抗が非常に大きい場合には、空包ストリップがお使いの鋲打機と互換性があるかどうか確認してください。破片が飛散する可能性のある作業には、必ず保護キャップを使用してください。
本取扱説明書および製品に記載されている安全上の注意と警告表示に注意してください。
安全に取り扱うための注意事項
例 |
説明 |
---|---|
打鋲機を決して身体部分に押し付けないでください! 打鋲機を身体部分(手の平など)に押し付けると、打鋲機が鋲打可能状態になることがあります。身体部分に打鋲が行われる危険があります。 |
|
マガジンあるいはその他のファスナーガイドは、手で引き戻さないでください! マガジンを手で引き戻すと、打鋲機が鋲打可能状態になることがあります。身体部分に打鋲が行われる危険があります。 |
ファスナーを打鋲する
- 本体を完全に、作業面に対して直角に押し付けます。
- グリップのリリースボタンを操作します。
- 本体を次のファスナーの位置にし、作業手順を繰り返します。その際ディスプレイの表示に注意してください。
打鋲深さを点検する
- チェックゲージを使用して打鋲深さを点検します。
- 打鋲深さは規定範囲内です。
結果 2 / 3
- 打鋲深さが深すぎます。
- 威力調整つまみを 1 段階回して威力を強くします。
- 威力調整つまみが既に上側のストップ位置にある場合は、より威力の強いタイプの空包があるならそれを使用してください。
- 打鋲深さが浅すぎます。
- 威力調整つまみを 1 段階回して威力を弱めます。
- 威力調整つまみが既に下側のストップ位置にある場合は、より威力の弱いタイプの空包があるならそれを使用してください。
- さらにファスナーを打鋲します。
- 正しいファスナーの打鋲深さになるまで、上記の作業手順を繰り返します。
威力を設定する
- 威力調整つまみを回して希望の威力に設定します。
- 威力の現在の設定が表示されます。
- 威力の現在の設定が表示されます。
本体から空包を取り出す
- 空包ストリップを、可能な限り空包の送り方向へと前方に押します。
- 空包ストリップを抜き取り口から引き出します。
本体からファスナーを取り出す
- あらかじめ本体から空包が取り外されていることを確認してください。
- 本体をグリップの上に立てます。
- マガジンインレットの赤いボタンを押し、ファスナーストリップをマガジン外へと滑走させます。
- ストッパーを押したまま、ファスナーストリップを本体から取り出します。
- ファスナーストリップがベースプレートから突出していない場合は、以下の手順に従ってください。
- ファスナーストリップがベースプレートから突出していない場合は、以下の手順に従ってください。
- 本体を操作位置に直立させます。
- ストッパーを押します。
- ファスナーストリップが本体から出るまで、本体のサイクリング動作を行います。
手入れと保守
ピストンとピストンストッパーを点検し、必要に応じて交換する
- ピストンをピストンガイドから引き出します。
- ベースプレートから(場合によってはピストンを使用して)ピストンストッパーを引き出します。
- ピストンおよびピストンストッパーに損傷がないか点検します。ピストンを水平面上にころがして、まっすぐに転がるか点検します。
結果 損傷がある、ピストンが曲がっているおよび/またはピストンがピストンストッパーに引っ掛かって動かない
- ピストンとピストンストッパーをセットで交換してください。
- ピストンとピストンストッパーをセットで交換してください。
- キャッチを引いて保持します。ピストンを先端が本体端部から突出しなくなるまで挿入し、キャッチを緩めます。
- ピストンストッパーを(ゴムを上に向けて)ベースプレートにはめ込みます。
ベースプレートを取り外す
- 本体をグリップの上に立てます。
- マガジンのマガジンリリースボタン(赤いボタン)を押して、マガジンを下方へと滑走させます。
- 接続が解除されるまで、ベースプレートを反時計方向に回します。
- ベースプレートを持ち上げて取り外します。
ベースプレートを取り付ける
- ピストンストッパーが正しくベースプレートに取り付けられ、ピストンガイドとピストンが本体の正しい位置にあることを確認してください。
- ベースプレートをネジに押し付けます。
- ベースプレートをストップ位置まで時計方向に回します。
- ベースプレートを回して、マガジンの上の最初の位置に戻します。
- マガジンを戻し、ベースプレートにロックさせます。
安全鋲打機を清掃する
- キャッチを外向きに引っ張り、そのまま保持します。ピストンをピストンガイドから引き抜き、続いてキャッチを緩めます。
- ピストンストッパーをベースプレートから引き抜きます。必要に応じて、ピストンストッパーをピストンとともにベースプレートから持ち上げます。
- キャッチを外向きに引っ張り、そのまま保持します。ピストンガイドを本体の上から引き抜き、続いてキャッチを緩めます。
- 本体の内側を清掃してください。続いて本体を上下逆さまにして立て、本体を叩いて汚れを落下させます。
- 大型のアクセサリーワイアブラシで、ピストンガイドの表面を清掃します(マーキングされた部分に注意してください)。
- 薬室とその横にある威力調整ピン用の穴を、小型丸ブラシで清掃します。
- 空包ガイドを薄い丸ブラシで清掃します。
- ネイルストリップガイドの可動部分に、Hilti スプレーでオイルを吹き付けます。
- キャッチがロックするまで、ピストンガイドを上方から本体に挿入します。
- キャッチを引いて保持します。ピストンを先端が本体端部から突出しなくなるまで挿入し、キャッチを緩めます。
- ピストンストッパーを(ゴムを上に向けて)ベースプレートにはめ込みます。
- ベースプレートを取り付けます。
- RESET ボタンを 1 秒以上押して、次回清掃期限までの打鋲数カウンターをリセットします。
- 安全鋲打機の打鋲可能状態を点検します。
摩耗部品の交換基準
ピストンおよびピストンストッパーの摩耗基準状態 |
例 |
評価 |
---|---|---|
新品状態 |
||
摩耗している |
ピストン先端部に素材の破片が確認できる。 |
|
ピストンが 3 mm 以上ピストンストッパー内に入り込んだ。 |
状態 |
例 |
評価 |
---|---|---|
新品状態 |
||
摩耗している Hilti サービスセンターによる交換 |
素材が露出している。 |
故障かな?と思った時
ミス発火あるいは発火しなかった場合の不具合を解消する
- 本体を作業面に押し付けて 1 回打鋲します。
- クリック音が聞こえるが、空包は発火しない。
- 本体を作業面から離します。その際、本体の先端部を、決して自分や周囲の人に向けないでください。
- 空包装填口から手で空包ストリップを空包 1 個分押し込むか、空包抜き取り口から手で空包ストリップを空包 1 個分引き出してください。
- 空包マガジンの残りの空包を全部使い切ってください。使用済みの空包ストリップを本体から取り出し、間違って再使用されることのないように廃棄してください。
- 本体を作業面から離します。その際、本体の先端部を、決して自分や周囲の人に向けないでください。
- クリック音が聞こえるが、空包は発火しない。
本体がブロックした場合の不具合を解消する
- 本体を垂直にしっかりとした母材に押し付けてリリースボタンを操作し、発生する音に注意してください。
結果 1 / 2空包が発火するか、あるいはクリック音がはっきり聞こえる。
- 本体の薬室にあるのは、発火可能な空包だけです。
- 次のステップのトラブルシューティングに進みます。
- 注意! 本体の先端が他の人に向けられていないことを確認してください。
- 本体を強い打撃を与えないでください。
- 次のステップのトラブルシューティングに進みます。
- 本体の薬室にあるのは、発火可能な空包だけです。
- 本体を数ミリメートル押し縮め、回転スリーブを開きます。
- キャッチにアクセスできるようになり、本体を開くことができます。
- キャッチにアクセスできるようになり、本体を開くことができます。
- キャッチを外向きに引っ張り、そのまま保持します。本体が相互に動かない場合は、普通の力で引き離すよう試みてください。
- 注意! 本体の先端が他の人に向けられていないことを確認してください。
- 次のステップのトラブルシューティングに進みます。
- 作業を中止し、本体を安全な場所に置いてください。
- 他の人が本体を使用することのないように対策を講じてください。
- 速やかに Hilti サービスセンターにご連絡ください。
- 注意! 本体の先端が他の人に向けられていないことを確認してください。
- 本体から空包を取り出します。
- ベースプレートを取り外します。
- ピストンとピストンストッパーを点検し、必要に応じて交換します。
- 安全鋲打機を清掃します。
- 回転スリーブを閉じます。
故障時のヒント
この表に記載されていない、あるいはご自身で解消することのできない故障が発生した場合には、弊社営業担当または Hilti サービスセンターにご連絡ください。故障 |
考えられる原因 |
解決策 |
---|---|---|
空包が送られない |
空包ストリップの損傷 |
|
本体の損傷 |
|
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空包ストリップを取り出せない |
本体の損傷 |
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本体が点火しない |
不発 |
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空包ストリップが空 |
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本体内のファスナーが 15 個未満 |
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本体が十分に押し付けられていない |
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ファスナー送りの不具合 |
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本体の汚れが激しい |
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空包が適切でない |
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本体の損傷 |
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打鋲深さが小さすぎる |
ファスナーが鉄骨梁の横に打鋲された |
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威力が高すぎる |
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ピストンが摩耗している |
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正しくないピストンが取り付けられている |
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シートメタルが成形材から離れている。 |
シートメタルが成形材から離れている |
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シートメタルが変形している |
母材となる鉄骨梁がない |
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打鋲深さが大きすぎる |
ファスナーが支持材端部に近すぎる |
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威力が小さすぎる |
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本体の汚れが激しい |
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ピストンが折れている |
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本体の損傷 |
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ファスナーの折損 |
ファスナーが鉄骨梁のウェブに打鋲された |
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母材厚さおよび/または母材強度の増大 |
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本体が押し付けられたまま戻らない |
ピストンがピストンストッパーに引っ掛かっている |
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本体の汚れが激しい |
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ピストンガイドの汚れが激しい |
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ファスナーが打鋲されない |
ピストンが取り付けられていない |
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ピストンが折れている |
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ファスナーガイドの汚れが激しい |
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ファスナーがファスナーガイド内で引っ掛かっている |
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ベースプレートを完全にネジ止めすることができない。 |
ピストンストッパーが逆に挿入されている |
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接続ネジ後方のピストンガイドの汚れ |
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本体を完全に押し付けることができない |
回転スリーブが完全には閉じていない |
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ネイルセンサーがブロックされている |
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ネイル検知部の部品が折れている |
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本体内にファスナーが装填されていない |
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廃棄
Hilti 製品の大部分の部品はリサイクル可能です。リサイクル前にそれぞれの部品は分別して回収されなければなりません。多くの国で Hilti は、古い電動工具をリサイクルのために回収しています。詳細については弊社営業担当または Hilti 代理店・販売店にお尋ねください。メーカー保証
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その他の情報
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