締付けモジュールをオンにする
条件 : 締付けモジュールはオフ状態で、ディスプレイには何も表示されていません。
インパクトドライバー/レンチの正回転/逆回転切替えスイッチを正回転にします。
インパクトドライバー/レンチのコントロールスイッチを短く押します。
ディスプレイ照明がオンになり、ディスプレイに短時間スタート画面 が表示されます。
機能点検のために、インジケーターが、赤色、黄色、緑色の順で短時間点灯します。チェック音が鳴ります。
ディスプレイでは、最後に選択されたモードが選択フレームで囲まれて表示されます。
ディスプレイに不具合が表示される場合:
「故障時のヒント」の章でディスプレイ表示の意味、考えられるメッセージの原因、不具合解消のために行うことのできる処置について確認してください。
ロックボタンを押します。
締付けモジュールはロックされました、インパクトドライバー/レンチは使用可能な状態です。
締付けモジュールをオフにする 以下の場合には、インテリジェント締付けモジュールは自動的にオフになります:
長時間にわたり使用されなかったためインパクトドライバー/レンチが自動的にオフになった場合
バッテリーが取り外された場合
USB プラグが引き抜かれたことで締付けモジュールと PC との USB 接続が解除された場合。
このセクションでは、操作体系を示すために頻繁に必要になる基本機能について説明します。特定の作業に対する詳細な操作については、当該の作業の章をご覧ください。
モジュールをロック解除する インテリジェント締付けモジュールで設定を行うには、締付けモジュールをロック解除する必要があります。
インテリジェント締付けモジュールをロック解除するには、ロックボタン を 1 秒以上押し続けてください。
ディスプレイでは、最後に表示されたファスナーの種類、または最後に表示されたモードの回りに選択フレームが表示されます。
締付けモジュールはロック解除されて、設定モードにあります。インパクトドライバー/レンチは非作動になっています。
ナビゲーション ディスプレイに選択フレームと複数のエレメント(オプション、パラメーター)が表示される場合は、選択フレームを矢印ボタン
および
を使用して移動させることができます。
オプションを選択する/パラメーターを変更する ロック解除された締付けモジュールでは、以下に説明する手順によりオプションまたはパラメーターを変更することができます。
ディスプレイの選択フレームを変更するエレメント(オプション/パラメーター)に合わせます。
OK ボタンを押します。
エレメントが黒い背景で表示されます。
矢印ボタンを使用して希望の設定を行います。
表示された設定を適用するには OK ボタンを押してください。
エレメントは再び選択フレームのある状態で表示されます。
モジュールをロックする すべての設定を行った後には、インテリジェント締付けモジュールを再びロックする必要があります。
ロックボタン を押します。
ディスプレイの選択フレームが消えます。設定された加工パラメーターが保存され、誤って変更されることはありません。
インテリジェント締付けモジュールはロックされ、インパクトドライバー/レンチは再び作動状態になります。
以下の個々のモードの説明は、インパクトドライバー/レンチの正回転にのみ有効なものです。インパクトドライバー/レンチは逆回転では監視されずに回転します。
インテリジェントモード モード「インテリジェントモード」では、インテリジェント締付けモジュールは選択されたファスナーの種類の締付けを制御および監視します。その際、最後に行われたソフトウェア更新の締付けパラメーターが使用されます。製品名称も加工パラメーターも変更になることがあるので、締付けモジュールには常に最新のソフトウェアバージョンがインストールされている必要があります。
インテリジェントモードが選択されていると、インパクトドライバー/レンチのトルク表示「AT」が点灯します。
作動ステージの切り替えは無効になります。しかしながら、コントロールスイッチによりインパクトドライバー/レンチをオン/オフすることができます。 これについては、ご使用のインパクトドライバー/レンチの取扱説明書を確認してください。
インテリジェントモードの加工パラメーター
ファスナーの種類(ファスナーの略称)
母材/素材の品質/製品仕様
直径(オプション)
図は、ディスプレイにおける加工パラメーターの配置を示したものです。
ファスナーの種類 種々のファスナーの種類に対して、工場出荷時に締付けモジュールに加工パラメーターを保存してあります。
表示されるファスナーは、使用しているファスナーに対応していなければなりません。
詳細情報は、SI-AT-A22 のクイックガイドおよびそれぞれの製品の取扱説明書を確認してください。
モード「ねじ締め」 このモードでは、合計で 30 のステージが使用できます。特定のファスナーの種類に対して選択すべきステージは、ファスナーの直径と指定のトルクにより異なります。ステージはこれらのデータを基に段階的に確認できます。
モード「ねじ締め」ではディスプレイ表示は以下のようになります:
ねじ記号の右横の数字は選択されたステージを示します。
モード「ねじ締め」に必要なステージを確認する
注意! ねじ締めを開始する前に、締結する構造物要素の接触面が全面にわたって接触していて、ナットがストップ位置まで下げられて構造物要素に接触していることを確認してください。
低いステージを使用してファスナーを締め付けます。
強すぎる締付けによりファスナーが損傷するのを防ぐために、プロセスは可能な限り低いステージで段階的に開始ししてください。
校正済みのトルクレンチを使用して、ファスナーの達成されたトルクを点検します。
複数のファスナーを繰り返し締め付ける場合は、すべてのねじ締め条件が同じであることを確認してください。ねじ締め条件が変更されると、必要になるステージも変化する可能性があります。
結果 1 / 3 締め付けるファスナーの規定のトルクに達しませんでした。
ファスナーを緩め、締付けモジュールでより高いステージを設定します。
ファスナーを新しいステージで締め付け、点検手順を再度行います。
結果 2 / 3 締め付けるファスナーの規定のトルクを超過しました。
ファスナーを緩め、締付けモジュールでより低いステージを設定します。
ファスナーを新しいステージで締め付け、点検手順を再度行います。
結果 3 / 3 ファスナーが規定のトルクで締め付けられました。 ファスナーに対する正しいステージが確認されました。
モード「非制御モード」 このモードではインテリジェント締付けモジュールは非作動になっています。インパクトドライバー/レンチは、インテリジェント締付けモジュールがないかのように動作します。このため、インテリジェント締付けモジュールなしでの短時間の作業のために締付けモジュールを取り外す必要はありません。
ディスプレイでは非制御モードは以下のように表示されます:
被制御モードでは、インパクトドライバー/レンチのトルク表示のインジケーター「AT」は点灯しませんが、インパクトドライバー/レンチの種々の作動ステージを設定するボタンは機能します。
モードは、2 つの方法で希望のファスナーの種類に設定することができます。
ファスニングする Hilti 製品のパッケージにある当該のバーコードまたは QR コードをスキャンします。
締付けモジュールの操作ボタンによる手動設定
バーコードまたは QR コードのスキャン 締め付ける対象の
Hilti 製品にバーコードまたは QR コードがある場合には、これらのコードをスキャンすることでモードを迅速かつ簡単に製品に合わせて設定することができます。
手動設定 締め付け対象の製品にバーコードや QR コードがない場合には、締付けモジュールの操作ボタンによりモードを設定することができます。
モードを操作ボタンで設定する
締付けモジュールをロック解除します。
必要に応じて、矢印ボタンを使用して選択フレームを他の変更の必要があるオプションに合わせます。
OK ボタンを押します。
選択されたオプションが黒い背景で表示されます(反転表示)。
矢印ボタンを使用して希望の設定を選択します。
OK ボタンを押します。
選択された設定は再び選択フレームのある状態で表示されます。
さらに設定を行うには、最後の 3 手順を繰り返してください。
締付けモジュールをロックします。
モードをバーコードまたは QR コードのスキャンにより設定する
締付けモジュールをロック解除します。
スキャンボタンを押します。
スキャナーが有効になり、ディスプレイの記号 が読取り可能な状態にあることを示します。
モジュールを約 15 cm(6″)離してバーコードあるいは QR コードの方向に保持し、コードがスキャナーにより照射されるフレーム内にあるようにします。
ディスプレイにねじ締めする製品用のモードが表示されます。
ディスプレイに が表示されます(コードを読み込むことができなかったか、あるいはコードが未知のものです)。
スキャンボタンを押してコードを再度スキャンしてください。
ねじ締めする製品の加工パラメーターがまだ締付けモジュールのメモリーに存在しないことも考えられます。製品が SI-AT 互換であるならば、それぞれの SI-AT-A22 取扱説明書の当該製品の QR コードをスキャンすることができます。このようにして、加工パラメーターを SI-AT モジュールのメモリーにロードすることができます。製品の加工パラメーターは、
AT Documentation Software により USB を介して締付けモジュールに保存することもできます。常に最新の加工パラメーターが使用されるのを確実なものとするために、締付けモジュールのソフトウェアは定期的に更新をチェックする必要があります。
締付けモジュールをロックします。
締付けモジュールを使用する前に、ねじ締めする製品が正しく取り付けられていることを確認してください。ねじ締めする製品の取扱説明書の注意事項、およびファスナーの点検に関する説明に注意してください。
モードを「インテリジェントモード」に設定します。
正回転/逆回転切り替えスイッチを正回転の位置にします。
適切な先端工具を装着したインパクトドライバー/レンチをねじ締めする製品にセットします。
コントロールスイッチを押して、締付けモジュールから以下のいずれかのフィードバックがあるまでその状態を保ちます:
結果 1 / 4
メッセージ「ねじ締めが正常に終了しました」が表示されます。
ファスナーが正しく締め付けられました。同じタイプの次のファスナーを直ちに続行することができます。
結果 2 / 4
メッセージ「再締付けが正常に終了しました」が表示されます。
既に締め付けられていたがその後緩められたねじが再び締め付けられました。
情報: 以前にファスナーが正しく締め付けられなかった場合には、ファスナーを校正済みのトルクレンチで点検するか、締め付ける必要があります。
結果 3 / 4
メッセージ「バッテリー電圧が低すぎます」が表示されます。
ファスナーに対してバッテリーの残り容量が少なすぎます。
メッセージを確定するには OK ボタンを押します。
より多くの容量が充電されているバッテリーを装着します。
結果 4 / 4
メッセージ「ねじ締めを正しく終了できませんでした」が表示されます。
ファスナーを校正済みのトルクレンチを使用して締め付けます。
モードを「ねじ締め」に設定します。
ねじ締めする製品のために設定すべき締付けステージを確認し 、設定します。
正回転/逆回転切り替えスイッチを正回転の位置にします。
適切な先端工具を装着したインパクトドライバー/レンチをねじ締めする製品にセットします。
コントロールスイッチを押して、締付けモジュールから以下のいずれかのフィードバックがあるまでその状態を保ちます:
結果 1 / 2
メッセージ「ねじ締めが正常に終了しました」が表示されます。
ファスナーが正しく締め付けられました。同じタイプの次のファスナーを直ちに続行することができます。
結果 2 / 2
メッセージ「ねじ締めを正しく終了できませんでした」が表示されます。
ファスナーを校正済みのトルクレンチを使用して締め付けます。
Hilti の製品はすべて常に更新されています、そのため本書に記載されていない製品も SI-AT モジュールによりサポートされている可能性があります。ソフトウェアと取扱説明書は常に最新の状態に維持してください。
その他の本製品用に許可されたシステム製品、最新の取扱説明書および点検指示については、
www.hilti.group | USA:
www.hilti.com でご確認ください。
セグメントアンカーのファスナーの点検
「インテリジェントモード」でのセグメントアンカーのねじ締めにおいて許可書/取扱説明書に指定された規定の設置トルクが正しく適用されたことを確認するために、その都度最初と最後のセグメントアンカーを校正済みのトルクレンチを使用して点検する必要があります。この適用された設置トルクの点検は、セグメントアンカーの締付け(設置)の直後に行う必要があります。
点検トルクは当該のセグメントアンカーの設置トルクに相当し、そのアンカーの取扱説明書で確認できます。
セグメントアンカーのナットを校正済みのトルクレンチで増し締めします。その際に、ファスナーがさらにどれだけの角度回転できるかを確認してください。結果 1 / 2 セグメントアンカーのナットは、規定の最大回転角を超過して回転させられることはありませんでした(< 360 °)。 ファスナーは正しくねじ締めされています。結果 2 / 2 セグメントアンカーのナットは、規定の最大回転角を超過して回転させられました(> 360 °)。 ファスナーは正しくねじ締めされていません。前回の点検以降に行われたねじ締めは正しくないものとみなさねばならず、点検の必要があります。インパクトドライバー/レンチは Hilti サービスセンターで点検を受ける必要があります。
設置システムに対するファスナーの安全性を点検する
「インテリジェントモード」での接続ボタンのねじ締めにおいて許可書/取扱説明書に指定された規定の設置トルクが正しく適用されたことを確認するために、その都度最初と最後の接続ボタンを校正済みのトルクレンチを使用して点検する必要があります。この適用された設置トルクの点検は、接続ボタンの締付け(設置)の直後に行う必要があります。
点検トルクは当該の接続ボタンの設置トルクに相当し、その接続ボタンの取扱説明書で確認できます。
当該のファスナーに対して正しい施工パラメーターが適用されていることを確認してください。詳細情報は、トルクモジュールの取扱説明書およびそれぞれの製品の取扱説明書を確認してください。
ファスナーを校正済みのトルクレンチを使用して増締めします。その際に、ファスナーがさらにどれだけの角度回転できるかを確認してください。結果 1 / 2 ファスナーは、規定の最大回転角を超過して回転させられることはありませんでした(< 180 °)。 ファスナーのねじ締めは正しく行われました。結果 2 / 2 ファスナーは、規定の最大回転角を超過して回転させられました(> 180 °)。 ねじ締めが正しく行われていません。前回の点検以降に行われたねじ締めは正しくないものとみなさねばならず、点検の必要があります。インパクトドライバー/レンチは Hilti サービスセンターで点検を受ける必要があります。
モード「ねじ締め」で締め付けたねじの点検
校正済みのトルクレンチを使用して、メーカーごとの規定あるいは品質規定に従って、規定締付けトルクが達成されているかどうか定期的に点検してください。