アンカー設計:簡単な計算例
国内設計基準に基づく引張耐力の計算例

国内設計基準に基づく引張耐力の計算例
あと施工アンカーの設計は、アンカーの仕様・母材・施工法等の設計条件を基に計算式を用いて耐力を算出し破壊モードを特定します。
同一アンカーでも設計条件や準拠基準により耐力が異なってくるため、設計においては、設計条件の正確な把握と準拠する基準の特定が必要となります。
国内の主な準拠基準
あとアンカーの設計に関する国内の主な指針は以下のものがあります。 あと施工アンカー設計で代表的な日本国内の指針
あと施工アンカーの破壊モード
国内の代表的な設計基準では、下表に示す破壊モードで設計します。それ以外にも下図に示す破壊モードがあり、欧米の基準では設計時に考慮される場合があります。
日本国内の代表的指針で用いるアンカーの破壊モード(引張荷重作用時)
あと施工アンカーの破壊モード(引張荷重作用時)
計算例
ここでは「耐震改修設計指針」(日本建築防災協会)をもとに、接着系アンカーの引張耐力の簡単な計算例をご紹介します。この指針を用いると、アンカーの耐力は下表の式で表されます。計算例として以下に示す設計条件を用いて、アンカーの耐力を計算します。
計算結果を以下に示します。破壊モードに着目すると、有効埋込長が140㎜(7d)の条件では、アンカー筋がSS400で鋼材破壊、HAS-U 5.8でコンクリートコーン状破壊となり、有効埋込長が200㎜(10d)の条件ではアンカー筋の材質によらず鋼材破壊となります。
接着系アンカー(M20)耐力計算結果
上記条件の他にアンカーピッチ、へりあき、母材厚等の考慮が必要な場合があり、耐力値も上記結果より低減されることがあります。
以上、簡単な設計例を示しましたが、実勢を反映した計算結果を得るためには、より正確な施工状況(へりあき、アンカーピッチ等)の把握とそれらの計算式への入力が必要となります。