アンカー設計:配置・施工
へりあき寸法、アンカーピッチ、穿孔方法 etc.

アンカー設計:配置・施工
あと施工アンカーの設計を行うに当たっては、その配置位置や施工方法を十分に考慮する必要があります。
アンカーの配置位置によっては、アンカーにとって重要な引抜き耐力やせん断耐力が大きく減少したり、 施工不具合が発生する危険性が考えられます。さらにアンカーの穿孔方法によっても、同様に耐力の減少や、 施工不具合が考えられます。 ここではその考え方を簡単に紹介します。
へりあき寸法及びアンカーピッチ
下図に示すようにコンクリート端部からアンカーまでの距離をへりあき寸法、アンカー間の距離をアンカーピッチと定義します。中央の図は金属系拡張アンカーを施工した際にコンクリートにどのように応力が作用するのかを示したものでかなり広い範囲に広がっていることが分かります。この結果、へりあき寸法やアンカーピッチが十分に確保されない場合は、右端の写真のように、施工時あるいは載荷時にコンクリートの破損が発生してしまいます。
必要なへりあき寸法、アンカーピッチは、アンカーの種類やサイズによって一律ではない為、欧州ではアンカー個別に安全な寸法が設定され、個別の影響範囲を用いて設計されています。また日本国内では、各種指針によって定められていますので、事前に必ずご確認ください。
穿孔方法と穴の形状
あと施工アンカーを施工するにあたっては、穿孔工具を使用してコンクリートに穴をあけます。一般的には、回転・打撃によってコンクリートを穿孔するハンマードリルが使用されます。この際にあと施工アンカーが正常に機能するためには、真円性の穴が重要で、これは、ハンマードリルの打撃力・打撃回数・回転数のバランスによって決定することから、各ハンマードリルには適正範囲が定められています。
上のマークは、欧州においてあと施工アンカーの施工に適したドリルビットとして認められた証明で各ドリルビットに刻印されています。
またハンマードリル以外の穿孔工具として、回転によってコンクリートを切削するダイヤモンドコアドリルが使用されることもあります。この場合には、コンクリート孔壁面が平滑となるため、接着系アンカーなどではアンカー性能に重要な付着性能の低下や、施工条件によっては使用が制限されることがあります。
あと施工アンカーの安全設計を行う際には、これらの穿孔方法による耐力への影響などを十分検討することが重要となっております。