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投稿者Dr. Iabout 6 years ago

荷重または拘束条件が引き起こす引張応力が、コンクリートの引張強度を越えると、コンクリートにひび割れが発生します。

ひび割れ

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コンクリートに加わる荷重条件や拘束条件により引き起こされる引張応力が、コンクリートの引張強度を越えると、コンクリートにひび割れが発生します。コンクリートは一般的に通常の使用荷重条件では、ひび割れが発生すると想定されます。アンカー近傍のコンクリートにひび割れが発生すると、ひび割れの発生がないコンクリートに比べ、アンカーの平均耐力が低下し、その時の変位量が増加する可能性があります。

 米国コンクリート学会の建築基準ACI 318や、欧州技術機構の設計ガイドラインETAG001では、先付アンカーおよびあと施工アンカーの設計基準条件は、ひび割れコンクリート(cracked concrete)を想定されています。 ひび割れの幅と発生分布は、通常ひび割れ防止筋を使用することで抑制されています。鉄筋のかぶり厚を考慮して、ACI 318およびETAG001におけるひび割れ幅は、地震を考慮する場合は0.5~0.8 mm未満、その他の場合は約0.3 mmと想定されています。
コンクリートのひび割れは、外力や収縮収縮およびクリープ(ひずみ)などによって引き起こされる内部引張応力により発生します。



日本国内においても、コンクリートのひび割れは、材料、施工、使用環境、構造・外力などの要因により発生するとされている。そして許容されるコンクリートのひび割れ幅(許容ひび割れ幅)は,各設計基準により様々な方法で明記されており、概ね0.2~0.5mmの範囲に収まっている。国土交通省が定める道路橋示方書では0.2mm程度以下、土木学会のコンクリート標準示方書では、かぶり厚さ50~100mmの場合、0.175~0.5mm、日本建築学会のJASS5では0.3mm、耐久設計指針では、要求性能が耐久性の場合0.2mm~0.5mmとされている。



コンクリートにとって無害なひび割れ幅であっても、先付けおよびあと施工アンカーの性能や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。それでは「ひび割れ」が発生すると、あと施工アンカーの破壊モードが変化してきます。下の左側の図のように、ひび割れが無いコンクリートの場合、コーン破壊は円錐状を形成して破壊します。しかし、ひび割れが発生した場合、このコーン形状がひび割れにより分断されるため、コンクリートコーン破壊耐力は低下します。そしてひび割れによる最も重要な破壊モードは、下の右側の図のような「アンカー抜け破壊」が発生することです。接着系・金属系の場合も、ひび割れによりアンカーにとって重要な「固着力(付着力・摩擦力)」が低下し、抜け破壊が顕著に発生し破壊耐力は低下します。



アンカー位置にひび割れ幅0.3mm~0.4mmのひび割れが発生した場合、アンカーの性能は、ひび割れの発生がない場合の耐力の50~70%となります。



このように欧米では、ひび割れの発生を想定したあと施工アンカーの設計を行っております。そのため、ひび割れの発生にも安定して性能を発揮するアンカーと安定して性能を発揮しないアンカーを事前に評価して使用しています。

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