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投稿者CHANGSUKSONGabout 6 years ago

設計・施工計画における「温度」の検討について

温度

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はじめに


あと施工アンカーの設計又は施工計画の際に「温度」について検討されたことはありますか?

あと施工アンカーにとっての「温度」とは、輸送保管温度、施工時の気温やコンクリート母材温度、施工が完了してからのアンカー供用期間の温度、そして火災時の温度があります。これらの「温度」は、あと施工アンカー性能を左右する重要な因子なのです。この記事では特に接着系あと施工アンカーの「温度」の関係について設計と施工計画の観点で解説します。
 
建設市場において多くの製造者が色々な接着系あと施工アンカー製品を取り扱っています。その製品の取扱説明書又は技術資料には使用環境や施工温度範囲等の記載があり、温度と硬化時間の関係が示されています。そして輸送保管温度については、安全データシート(以降、SDS)に記載されています。これらの情報は接着系あと施工アンカーを適切に施工し、設計された性能を発揮するために示されているものです。

「温度」と硬化時間


一般的な接着系あと施工アンカーの「温度」と硬化時間についてです。図Aにある硬化時間が違う性質の製品の「温度」と硬化時間を示しますが、気温やコンクリート母材温度が低い時は硬化までに長い時間を要します。反対にこれらの「温度」が高い時は、短い時間で硬化します。この「温度」と硬化時間は接着系あと施工アンカーの種類によっても異なりますので、施工する時期や環境に応じて適切に選択する必要があるということです。そこで夏場と冬場における接着系あと施工アンカーの施工について解説します。


図A. 温度と硬化時間関係


夏場でのあと施工アンカーの施工

真夏の炎天下にさらされているコンクリート母材は高い温度になっている可能性が高いため、硬化時間が短くなることを考慮します。特異的な環境条件である場合は、事前実験や試験施工を行い作業工程確認することを勧めます。
次によくある事例として、アンカー筋が太くて埋込み長が長い場合アンカー施工中に硬化が進み高止まりと呼ばれる、アンカー筋が孔底に到達する前に施工が適切に完了しないこともあります。
こうした事象を回避して設計・施工計画するには、少しでも硬化時間が長いエポキシ反応系樹脂の選択や、コンクリート躯体に直射日光が当たらない措置を事前に施して、アンカーにとってのコンクリート母材温度が上昇し過ぎないようにする工夫などが必要です。その他にはアンカー筋を予め冷暗所に保管、接着系あと施工アンカー製品をSDSに示されている下限温度で事前保管するなど「温度」と硬化時間を把握した施工計画を立てる必要があります。

冬場での接着系あと施工アンカーの施工

特に寒冷地における冬場においては、コンクリート母材は低い温度になっている可能性が高いため、硬化時間が極端に長くなること、または製品の種類によっては、十分な硬化が得られない施工適用温度範囲外であることも想定されます。そのため製品の取扱説明書や技術資料で確認して頂くか、事前実験や試験施工を行い作業工程確認することを勧めます。
次によくある事例として、長時間養生しても完全に硬化しない場合があり、アンカー筋の抜け出す場合があります。
こうした事象を回避して設計・施工計画するには、低温環境下でも硬化反応が期待できる製品の選択が必要です。また極端な寒冷地においては、コンクリート躯体そのものをあと施工アンカー施工前から樹脂が硬化するまでの間、冷えないように養生を施す計画が必要となります。
 

「温度」と付着強度


接着系あと施工アンカーの付着強度は、供用・耐用期間中の環境条件によっても影響を受けることがあります。図Bは欧州技術認証機構(EOTA)が評価された2種類の使用温度範囲と基準付着強度の関係を示しますが、欧州では接着系あと施工アンカーが一般的な環境(躯体温度が年平均23℃前後)である場合に用いる設計付着強度と特別な環境(躯体温度が年平均50℃前後)である場合に用いる設計付着強度を区別して設計します。
接着系あと施工アンカーの最大付着強度(短期付着強度)は、一般的に低温時と高温時では異なります。また恒温環境下で長期持続載荷した実験では、クリープひずみが温度によって発生する速度に違いが生じます。すなわち接着系あと施工アンカーが50年から100年間供用している期間中に、「温度」条件を考慮しないで設計した場合、付着破壊(抜け破壊)を引き起こすことも考えられるということです。
よって設計段階においても、接着系あと施工アンカーが使用される環境の「温度」についても考慮して検討することが重要となります。


図B.  使用温度範囲と基準付着強度の関係

まとめ


このように接着系あと施工アンカーは「温度」と硬化時間の関係は、製品種類によって違うため、適切な選択と施工計画を立てることが重要となります。また「温度」と付着強度の関係では、使用環境を考慮し適切な付着強度にて設計を行うことが重要となります。

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