『奇跡の72時間』を支える「修理の匠」

ツールサービスセンターで、その秘密を探る

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壊れた工具を修理、更に性能を新品同様に戻す。72時間以内にお手元にお届けする(『3日で返却』サービス)。そこは顧客視点の価値を生み出す領域だった。

2017年2月3日金曜日、岐阜県各務原市大野町にある日本ヒルティ ツールサービスセンターにて、日ごろヒルティ製品をご使用いただいているお客様を招いて見学会が実施された。通常ここは関係者以外、立ち入る事は許されていない。

今回、参加いただいたお客様は、【奇跡の72時間 修理の匠に会おう!】キャンペーンにご応募いただいた方の中から抽選で当選された5社8名。

修理担当のメカニックと対面で意見交換や質疑応答のほか、業種や職種の異なるお客様同士の交流も目的とした顧客向けイベントとして企画された。

3日で返却』サービスとは、通常修理品は72時間以内(3営業日以内)にお客様の元に返却することをコミットし、期限に間に合わなかった場合は修理代金を返金するという修理サービス。

それを実際どのような環境、オペレーションで実現しているのか、ツールサービスセンターの各工程を見学していただいた。

ツールサービスセンター見学会

ツールサービスセンター長 小山担当
エスアールジータカミヤ株式会社 山下氏・北村氏、高野興業株式会社 髙野氏・宇山氏、計4名

マネージャー・チームリード 堀担当
有限会社浅川商店 浅川氏・尾崎氏、高砂熱学工業株式会社 木俣氏、株式会社アシスト 井東氏、計4名

同行
日本ヒルティ(株)第二営業本部 本部長 古川浩二、マーケティング本部 本部長 堺直樹

有限会社 浅川商店 浅川 栄治氏

『すべき仕事を確実にこなす。これに尽きる』

有限会社 浅川商店
浅川 栄治氏

有限会社 浅川商店 尾崎 博氏

『すべき仕事を確実にこなす。これに尽きる』

有限会社 浅川商店
尾崎 博氏

エスアールジータカミヤ株式会社 山下 圭一郎氏

『一番大事にしていることは安全と品質』

エスアールジータカミヤ株式会社
山下 圭一郎氏

エスアールジータカミヤ株式会社 北村 公一氏

『一番大事にしていることは安全と品質』

エスアールジータカミヤ株式会社
北村 公一氏


高野興業株式会社 高野 康宏氏

『技術力や付加価値を、お客様にアピール』

高野興業株式会社
髙野 泰宏氏

高野興業株式会社 宇山 義隆氏

『技術力や付加価値を、お客様にアピール』

高野興業株式会社
宇山 義隆氏


高砂熱学工業株式会社 木俣 孝裕氏

『仕事の質を高めるために費やす事は会話の時間』

高砂熱学工業株式会社
木俣 孝裕氏 

株式会社アシスト 井東 光郎氏

『的確にお答えすることがモットー』

株式会社アシスト
井東 光郎氏


コンパクトなスペースと少ない人員で対応

全国からの修理対応の奇跡に迫る!

1998年11月、それまで日本国内3拠点に分散されていたツールサービスセンターを日本列島のほぼ中央に位置する岐阜県内の1拠点に集約させました。

その目的はふたつ。
ひとつ目は全国から集まる修理品は北から南までほぼ1日で集荷できるため配送時間を短縮できること。

ふたつ目は修理品質の向上。製品や修理情報、またノウハウの分散を防ぎ、関係者間で全ての情報を共有できる環境を整えるためである。

小山 ここでは国内の修理全てを行っています。その数は年間約72,000台強、平均すると1日300台以上の修理を現在21名のメカニックで対応しております。

スピードと品質を追求するITを活用したシステム

修理に必要なパーツは160~200種、常備してありパーツごとに適正在庫数をシステムで管理し、設定した最低在庫数を1個でも下回った場合は、シンガポールの物流センターに発注されます。修理に必要なパーツの欠品をなくすことが72時間以内の修理返却を実現する大前提です。

小山 こちらはTSPと呼ばれる修理指導のためのシステムです。製品ごとに部品構成のパース図面が表示されています。そのため経験の浅いメカニックでも一定水準で修理作業や検査が行えるようになっています。

宇山氏 こうした図面は何種類ありますか? それと1人のメカニックが最後まで修理を担当するのでしょうか?

小山 ひとつの製品で2〜15枚くらい図面が用意されています。メカニックは専任制を敷いていますので、1人が最初から最後まで責任を持って修理にあたります。このシステムのおかげでハツリ機は15台/日、スクリュードライバーは40台/日のペースを実現しています。製品や故障の内容によって異なりますが、平均で40分/1台をクリアするようメカニックたちはトレーニングを積んでいます。

ODA エレクトロニクスが製品の使用状況、電源環境まで分析

故障の原因究明に活用すると同時にお客様の使用環境などを予測して、故障リスクの低減につながる的確なアドバイスを導き出す、重要なシステムのひとつとなっている。

木村 ODAと製品本体を接続するとまず製品のシリアル番号を読み取ります。続いて累計使用時間、スイッチを入れた回数、使用環境の電圧状況がモニターに表示されます。この修理品では低電圧状態における複数回のエラーが記録されています。さらにデータを分析すると、打撃強度ギア1・2・3、3段階それぞれの使用時間も確認できます。

尾崎氏 電圧の変動が故障の原因に大きな影響を及ぼしていたなんて、これまで意識したことがなかった。」

木村 やはり電動工具ですので電圧の変動幅が頻繁に繰り返されると故障につながるダメージを与えてしまう結果となります。

浅川氏 この機能はすべての製品についているのですか?

 ここまで詳細なデータが取れるのはブラシレスモーターを搭載した上位機種のハツリ機のみですが、累計使用時間や電源環境に関するデータはほとんどの機種でデータ収集可能です。

 

陰で支える匠と、より良い仕事のための意見交換

修理の匠と対面で話しが出来る機会なだけに、素朴な疑問からテクニカルな質問、故障を未然に防ぐ方法や工具の寿命を長持ちさせるための有効なメンテナンスなど話題は多岐に渡った。

尾崎氏 部品の消耗具合を見て、故障の原因を予測することはできますか?

木村 ハンマードリルを例に取れば職人さんが必要以上の力を押し付けて穿孔していると思われるケースは部品の磨耗具合から想像できます。上手に作業される方の使用する工具は磨耗が少ないのでひと目でわかります。ヒルティ製品は一定の使用時間に達するとランプが点灯し、お客様に修理を促す仕組みになっていますが、ランプの点灯前と点灯後の修理では、やはり部品の磨耗には差が感じられます。

渡辺 外損や水没については見ただけで故障具合はわかりますが、全然使用していないのに動かない、ときれいな状態で修理にきます。リチウムイオンバッテリー製品にこういった事が見受けられます。これは満充電の状態で長期間放置してしまった事が原因です。バッテリー製品には長持ちさせる扱い方があります。充電・放電を繰り返した方がバッテリー製品は良いコンディションを保てますし寿命も長持ちします。つまり適度に使用する、という事です。

QRコードで動画にアクセス、作業者目線のアイデア

尾崎氏 個性的な職人も少なくないので事前に説明しても、その通りに扱わない者もいます。ケースの蓋を開けたところに工具のセッティング方法や日々のメンテナンスについて記載があれば、故障の頻度をだいぶ減らすことができるように思うのですが・・・

髙野氏 職人たちの中には文章を読まない者もいるでしょうから、ケース内にQRコードを貼ってそれをスマホで読み取ると動画が見られるようにしたらどうでしょう? 職人自ら動画を再生して見れば、かなり理解が進むのではないでしょうか!

宇山氏 たとえば機種ごとの故障要因となりうる使い方や原因のトップ3ってあるのですか?

浅野 バキュームクリーナーVCを例にお話しますと、フィルターが破れたことによって機械内部に粉じんが入り込みモーターが焼けて故障するといった事がほとんどです。

北村氏  このような貴重な情報は、取説などには記載されているのでしょうか?

 ほとんどの情報は取説からの抜粋した内容です。特徴的な故障事象や解説用の写真につきましては後から追加しています。

小山  修理品の納品書には必ず故障原因を記載します。また製品ごとに故障原因や対処などを表にまとめ、お客様にも提出しても良い情報として弊社の営業マンには配布しておりますので、ご希望の方は担当営業にお申し付けください。故障原因の約9割は、この表に記載された内容が当てはまります。

匠とITの関係 活かすのは人次第

都竹  ご覧いただいたシステム(TSP)は、私たちは機種ごとの専門ラインで修理にあたっているので、システムに頼らなくても仕事には困りません。しかし修理品質を標準化できる点、ノウハウを共有するといった観点でとても有益なシステムだと感じます。

渡辺  作業がここまでスムーズにできている要因には、このシステムが世界中のヒルティで導入されていることが大きいと感じます。画面の指示に従って修理を進めることで一定水準の品質は確保できます。英語で記載されていますので、英語の勉強は必要ですが(笑)

小山  若手は、導入前と比べて8%程度、生産性が上がりました。逆に平均年齢が高いチームはなかなか上向きになりませんでしたが、それでも2ヶ月もすると上向き傾向になってきています。慣れですね。

木俣氏 なるほど! 見習いたいです

小山  在庫管理システムでは、昨年部品の欠品が理由で72時間以内に返却できなかった修理が3件ありました。普段あまり使わない部品を要する修理がたまたま同じタイミングで重なってしまい欠品となったことがありました。通常は季節要因も含めて欠品が起きないように在庫管理を徹底にて行っているので、まず欠品は起きません。

井東氏  ありがとうございます。大変参考になりました。

お客様の仕事に対するこだわりに応える事

古川 皆さんのお仕事に対するこだわりについて是非お聞かせください。

浅川氏 すべき仕事を確実にこなす。これに尽きると思います。その過程で電動工具を使った作業が多数占めていますから、信頼のおけるメーカーの工具を手にしてこれからもいい仕事をしたいと思います。

山下氏 建設仮設機材をレンタルしている会社で私は購買を担当しております。一番大事にしていることが安全と品質です。年間7万台もの修理をこなす匠の皆さんの仕事ぶりに接して、とてもチームワークが素晴らしいと感じました。自社でも修理や整備する部門があり、本日見学させていただいたことやお聞きしたお話は弊社でも参考にさせていただく内容が多く勉強になりました。今後も情報交換を密にさせていただき、双方の発展につながることを期待したいですね。

髙野氏 私たちの持っている技術や付加価値を、お取引先にアピールできるよう心がけています。

井東氏  私ども会社はステンレス・アルミ・真鍮などの金物を中心の建築資材を扱っていまして、お問い合わせいただいた内容に的確にお答えすることをモットーとしております。年間7万台もの修理を手がけながら72時間以内に返却できなかった案件がたった5件と伺いまして大変勉強になりました。見習って仕事のクオリティをさらに上げたいと思いました。

木俣氏 現場では会話だと思っています。私自身は施工者側の立場ですが、設計者と施工者間のいい緊張感が、質の高い建物を造っていく・・・ そんな側面があるように思います。建設に携わるたくさんの方との会話があって、目の前の建造物が出来上がったことを思うと、これからも質を高めるために費やす会話時間を大切にしていきたいと考えています。

 

最後のあいさつに堺が立つ。

 本日はお忙しい中遠くまでご足労いただきましてありがとうございました。貴重なご意見を多数いただきまして感謝申し上げます。私どもの大きな使命のひとつが【お客様のベストパートナーになる】です。

お客様1社1社とより深い信頼関係を構築したいと願っています。これからもヒルティと末永くお付き合いいただければ幸いです。

 

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